お知らせ

新型ウィルス感染予防対策について

〈全国保育園保健師看護師連絡会「保育現場のための新型コロナウィルス感染症対応ガイドブック」〉を参考にして取り組んでいます。

○新型コロナウイルス感染症の感染経路 新型コロナウイルス感染症の感染経路は主に飛沫感染と接触感染です。そのため、飛沫感染と接触感染の予防策を中心に考えます。飛沫感染対 策の第一は咳エチケットであり、人に咳やくしゃみの際 の飛沫を浴びせないようにすることが一番大切です。そ のためには、咳やくしゃみをする人はマスクをする、袖 (上腕)で覆うなどの対策が必要になります。次に飛沫が付着した身体や物品を触れることによって手にウイルスが付着し、最終的にはその手で口や鼻、目を触るこ とによって接触感染が起きます。そのため、手洗い等の 手指衛生も重要な対策となります。
さらに、厚生労働省は集団感染が発生しやすい環境である、3 つの密を避けるよう呼び かけています。3 つの密は、換気が悪い「密閉」空間、多数が集まる「密集」場所、間近 で会話や発声をする「密接」場面です。保育所等は狭い空間に子どもたちが集まり、密接 して遊ぶなどこの 3 密が揃いやすい空間です。室内は 2 方向での換気を行い、子ども達の 密集を避ける環境、大きな声や一斉に歌うなどの活動を避けるなどの対応が必要となりま す。また、屋内のみならず、屋外でも密集や密接を避けることが必要です。
〈新型コロナ感染拡大予防の基本〉
1.手指の衛生(手洗い)
2.咳エチケット
3.定期的な換気を行う
4.人と人との距離を取る
5.体調不良があるときには登園・出勤をしない

第2章 保育所における感染拡大予防対策
1.本ガイドブックにおける感染症予防対策の分類 (1) 感染症状況の地域分け
現在政府や自治体にて緊急事態宣言やそれに伴う保育所等への休園・登園自粛要請が 出されています。各自治体によりその判断は異なります。本ガイドブックでは政府の新 型コロナウイルス感染症対策専門家会議の提言を基に以下の地域区分を用いて新型コ ロナウイルス感染症の地域での発生状況に応じた対策を検討しております。各地域区分 はあくまでも目安です。各自治体で指標がある場合にはそれらを参考にして対策を行います。
*手洗いは流水 30 秒を励行(手指消毒は必要な場面で実施)
*マスク 着用
職員と子ども全員ができる限り着用することが推 奨
※子どものマスク着用については p.9 参照※
鼻汁や咳などの症状があ る職員と 2 歳以上の子ど もは着用
受け入れ/ お迎え
施設外もしくは玄関口での受け入れとお迎えが推 奨
(高齢者の送迎は極力控えてもらう)
通常通りの受け入れ 手洗いもしくは手指消毒 が施設にはいってすぐに できるよう調整する
保育活動
・子ども同士の間隔は 1m 以上をあける
・1 日を同じクラス(同 じ人たち)で過ごす
・子ども同士の距離を保 てる遊びの工夫 ・クラスが混合しないよ う配慮(トイレや午睡、 外遊びなど)
通常通り(一斉に大きな 声を出すことや歌を歌う こと、クッキングなどは 避ける、大人数のイベン トは行政と相談)
*午睡
環境衛生隣の子どもとの口元を 子どもと子どもの間隔は出来る限りあける
1m 以上離す
有症状者は他児から 1m 以上離す
高頻度接触部位は 1 日 1 回以上消毒を行う
・おもちゃ
・布おもちゃは控える
登園者が少ない場合に
は出来る限り個別でお
もちゃを使用
布おもちゃは控える
毎日洗浄もしくは 消毒を行う(幼児はマスクを着 用して遊ぶようにする)
施設での基本的な留意事項 (1) 手指衛生
手指衛生には、流水と石鹸による 30 秒以上の手洗い、もしくは 15 秒以上の 70%以上 アルコール消毒液*を用いた消毒を行います 1)。流水による手洗い方法は「保育所におけ る感染症対策ガイドライン」や厚生労働省のホームページなどを参照してください。職 員全員が衛生的な手洗いを行えるようにしましょう。
手指衛生には流水と石鹸による手洗いが最も推奨されます。流水と石鹸による手洗い
は手に付着した病原体を物理的に洗い落とすことができますし、多くの石鹸・洗剤に含 まれている界面活性剤は、インフルエンザウイルスやコロナウイルスを失活させ、感染 性をなくすことが実験によって確かめられています(北里大学ホームページ: https://www.kitasato-u.ac.jp/jp/news/20200417-03.html 参照)。また、目に見えて手が 汚れている場合には、手指消毒剤での消毒では不十分です 3)。
*アルコール消毒液は製品濃度 70~80%のものが望まれます。新型コロナウイルスに関しては 50%以上でもウイ ルスが不活化することが示唆されています 4)。
<手指衛生が必要な場面>
<職員> ・出勤時の施設に入ってすぐ
・保育室に入る前 ・飲み物や食事を準備する前と後 ・食事介助の前と後 ・おむつ交換や排泄介助後 ・鼻水やよだれ、血液など体液に触れたた後 ・戸外活動の後
・休憩に入る前・入った後
<子ども> ・登園時の施設に入ってすぐ(保護者も)
・飲み物や食事などの前と後 ・トイレを使用した後
(おむつ台などに触れた後) ・鼻汁やよだれなどが手に付着している時 ・戸外活動や動物・植物・昆虫などに触れた後
<手洗いで注意すべきこと> ・石鹸は固形石鹸では不潔になりやすいため、液体石鹸が推奨されます。
※固形石鹸は石鹸自体に洗った人の汚れや細菌が付着し、それらを管理する石鹸置き 場やネットなどにも付着・残存し不衛生になります。それらのことから固形石鹸の共 有は控えることが望ましいです。しかし、液体石鹸の供給が不足し、やむを得ず固形 石鹸を使用する場合には、使用の前後に石鹸を流水で流す、泡立てをしっかり行う、 必要時には手洗い後のアルコール消毒液による手指消毒を行う、石鹸や石鹸置き・ネ ットを毎日清掃・乾燥させるなど検討しましょう。
・液体石鹸をつぎ足して補充をするのはやめましょう。石鹸の補充は空になった容器を 清潔・乾燥させてから補充を行います。
・手洗い後のタオルの共有は絶対にしないようにしましょう。 ※特に“赤”“黄色”の地域では使い捨てのペーパータオルの使用が強く推奨されます。

手指消毒剤は手が汚れていない状態で、以下の手順で使用しましょう (1)消毒剤を片方の手のひらにとります (2)手のひらをこすり合わせます
(3)手の甲を合わせてすりこみます
(4)指先・爪の間にすりこみます (5)指の間に擦りこみます (6)親指をねじり合わせすりこみます (7)手首に擦りこみます ※十分に乾燥したことを確認します
(2) 咳エチケット/マスクの着用 咳やくしゃみなどにより唾液や鼻汁などが飛沫となって、その大半が周囲に飛び散っ
たりしないようにします。咳エチケットには 3 の方法があります。 1マスクを着用する(マスクは鼻から顎まで覆い、隙間がないように着用します。) ➁ティッシュやハンカチなどで口や鼻を覆う (ティッシュはすぐにゴミ箱もしくはビニール袋などに入れ処理しましょう) 3肘の内側や袖で覆う
厚生労働省 HP より引用

★マスクの着用について★
アメリカの疾病予防管理センター(Center for Disease Control and Prevention)では、
新型コロナウイルスに罹患しても、ほとんど症状がなかったり、症状が軽くて診断され ないケースが多く存在することから、ウイルスを拡散しないためにマスクの着用が推奨 されています。職員はマスクを着用することが強く推奨されています。マス クは不織布による使い捨てではなく、布製の使いまわすことができるマスクでも構いま せん。また送迎をする保護者にもマスクの着用の協力を呼びかけましょう。職員はマスクの装着方法と外し方が適切に行えるか今一度確認しましょう。

※昼食などでマスクを外し、再度利用する場合にはマスクは清潔な袋に入れ、袋の中で表面 と裏面が混合しないよう注意が必要になります。その際に封筒などを用いてマスクの面が動 かないようにすることも工夫の一つです。
<子どものマスクの着用について>
アメリカの CDC は乳幼児を預かる施設での 2 歳以上の子どものマスクの着用について、乳幼児の場合には適切な使用ができず、マスクをすることで顔 に何度も触れてしまう、マスクを外してしまうなど、マスクをすることでかえって感染を 広めてしまう可能性もあります。以下のことに注意して、マスクの着用について検討をし ましょう。マスクの着用に関しては家庭の協力も欠かせません。家庭でも外出時には子ど もにマスクを着用してもらうなど、“新しい生活様式”に子どもが馴染めるよう一緒

*2歳未満または、自分でマスクを外すことができない子どもは窒息の危険があり使用は推 奨できません )
・マスクに頻回に触れたり、マスクの周囲に手がいくことで感染の危険が増します。年少児 などマスク着用の理解が難しく、嫌がる・何度も外すなどの行動あるときにはマスクの着 用は見送りましょう。
・子どもになぜマスクが必要であるか、マスクをどのようにつけることでウイルスを広げない
・もらわないかについて、発達段階に応じて説明しましょう。新型コロナウイルスの感 染対策は長い期間必要になります。就学後にも必要な行動となるため、子どもが公共の場 でマスクの着用に慣れることも必要になります。
<子どもがマスクを着用する場合>
・午睡中は必ず外しましょう。
・マスクを衛生的に使用できるよう、昼食前後や午睡後などで交換する、落として汚れてし
まった時などにも交換できるように多めの持参を依頼しましょう。
・気温の上昇に伴い、マスクは熱がこもったり、顔色が見えなくなるなど、熱中症の危険が 生じます。そのため、熱中症予防も併せて必要です。屋外の気温が高い時には、マスクは 着用せず、距離を保って遊ぶなどの工夫が必要になります。赤の地域では密接になる場合
にはマスクの着用が推奨されるため、屋外活動を控えるなど対策を検討します。
マスクを着用するのは誰を守るため?
マスクの着用は他者への感染を防ぐことが大きな目的です。無症状の感染者 も一定の割合で存在していると考えられている新型コロナウイルス感染症で は、気が付かない間に感染して他者へ広げないようにマスクを着用することが 推奨されています。マスクを着用することで、自身にウイルスの侵入を防ぐ効 果は限定的です。

*子どもの健康観察 登園時には送迎してきた保護者から自宅での体調を聞きましょう。体温の測定は自宅
もしくは登園時に測定をします。また家庭内で発熱者や呼吸器症状のある人の有無を聞 きましょう。子どもの日々の体温や咳や鼻水などの症状の有無を保育所と家庭で共有す るようにしましょう。
参考:個人健康カード(例)、体調不良欠席の電話連絡の聞き取り表
~保育中の子どもの観察ポイント~
・体温(触れる、頬の赤み、手足の冷たさ、体温計による測定)
・顔色・機嫌・活気・咳嗽・鼻汁・呼吸の様子・遊ばない・動かない・食欲の低下 ※気を付ける呼吸の様子:呼吸が速い、肩で呼吸をする、呼吸のたびに胸がへこむ、
横になると呼吸が苦しそうな様子がある(横になりたがらない)
<子どもの体温測定について>
・体温は朝、昼、午睡後など 1 日の中で決めた時間帯に数回測定を行います。 ・体温測定は子どもと密接するため、後方から行い対面を避けるようにしましょう。 ・体温計は直接皮膚に接触するタイプは、子ども毎に体温計をアルコール消毒液で浸
したカット綿やアルコール綿で消毒を行います。消毒は毎回新しい綿もしくは、新
しい面を使います 2)。
※体温計の消毒範囲は全体が望ましいですが、製品によっては消毒部位は皮膚接触面のみとされているこ とがあります。各製品により適切な対応をしてください。
・直接皮膚には触れないタイプのものは子ども毎の消毒は不要です。1 日に 1 回はア ルコール消毒液で浸したカット綿やアルコール綿で消毒を行います。
(3) サーベイランス サーベイランスとは、在園児や職員の発熱やそのほかの症状の動向を把握するために
有用となります。学校欠席者・感染症情報システムを使用し、毎日入力をしている施設 もあると思います。システムを使った入力、もしくは施設でまとめて集約することで、 発熱や呼吸器症状、下痢や嘔吐などの消化器症状の人数の動向を日ごと・週ごとに把握 をすることができます。これらを把握することで、○○の感染症という名前がついてい なくても、施設内で“風邪のような症状が流行ってきている”ということをいち早くキャ ッチすることが可能になります。サーベイランスシステムを使用すると地域情報もいち 早く把握が可能である。

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